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2009年8月 9日 (日)

WW2大戦機の主翼構造の考察(その6、ハリケーン、タイフーン、テンペスト)

「ホーカー・ハリケーンは英国製戦闘機で初めて低翼単葉・引き込み脚・密閉風防を採用したが鋼管帆布張りの旧態依然とした構造で・・・」と言うのはよく言われることだが、翼は全金属製だ。もっとも、内翼部は応力外皮式のモノコックではなくフレーム構造で、外板は単なるカバーのようだが、少なくとも外翼部は応力外皮式の金属モノコックらしい。

図 ハリケーンの主翼構造

Hawker_haricane

これまで見てきたように、モノコック構造の主翼といえども翼胴交差部では引き込み脚や胴体内タンクのために箱型構造が切れてしまい実質的にフレームで支えている例が多い。また、主脚付け根には着地時に集中荷重がドンと加わるから薄板で作ったモノコック構造といっても部分補強が必要になる。これらのことを考えると、内翼部をフレーム構造としたことは案外合理的だ。また、2本桁構造にもかかわらず主脚は前後の桁の間に引き込む方式だが、これも内翼部が桁間に箱型構造を持つ必要がないフレーム構造であれば合理的な方式だ。
外翼部と内翼部を取り付け金具で接合する3分割構造になっており、胴体フレームが内翼部フレーム上に乗っかるかたちになっている。

図 タイフーンの主翼構造

Hawker_tyhoon

次のタイフーンは全金属製となったが、ハリケーンの影響は残っている。胴体中央部(コックピット部)は鋼管トラスフレームだし、内翼部はフレーム構造に近いようだ(透視図を見ると外翼部の主桁はIビームだが内翼部はトラス梁らしい)。主翼は2本桁構造だが、主脚引き込み部の後方の一部だけ中間桁が加えられている。翼内砲を中間桁と後桁の間に装備しているが、大きなヒスパノスイザ20mm砲がこんなに後ろの位置でも上手く収まるのは機体が大きい上に厚翼のためだろう。主翼は左右分離式で胴体フレームに金具を介して取り付けられている。前桁はエンジンと干渉するのだがキャリースルーがどうなっているのかは不明だ。

図 テンペストの主翼構造

Hawker_tempest

テンペストはタイフーンを薄翼に改めた機体だが、主桁の配置は異なり後桁が大きく前に屈曲して翼内砲機関部の前を通っている。薄翼化にもかかわらず翼内砲が後桁の後方に収まったのは、楕円翼の採用に加えて砲自体も初速を落として機関部を少し小型化したことによるらしい(参考URL:http://www.warbirds.jp/truth/s_gun2.htm)。

1) “世界の傑作機No. 28  ホーカー ハリケーン”、文林堂、2002.1
2) “世界の傑作機No. 70  ホーカー タイフーン/テンペスト”、文林堂、1976.2

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