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2009年11月

2009年11月29日 (日)

事業仕分けに関するひとこと

事業仕分け、と言うやつがかなり話題というか問題になっている。やれ、FX、スパコンから漢方薬の健康保険適用除外まであれこれ。ノーベル賞受賞研究者や元宇宙飛行士までが擁護に担ぎ出されている。
個々の問題については、技術的+経済的+政治的な複雑な問題であるから、とても素人がジャッジできないようなややこしい問題が多いのに、素人のネットオタクから著名な経済学者や評論家まで、百家争鳴である。
ただ、それぞれの分野に詳しい専門家と言うのは同時に利害関係者でもある場合がほとんどであるから、この問題はとてもたちが悪く、素人が口出しせざるを得ない訳だ。

ここでは具体的な事項に関する議論はしないが、一番心配なのは、採算性とかわかりやすい成果にばかりとらわれて、本来「公共」が為すべきことは何なのか?がなおざりにされることである。

下記HPに挙げられていることがほぼ私の見解と重なるのでそちらを見てほしい。

以下、引用。
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正直な気持ち:
「事業仕分けはあくまでも慎重に!! 」
http://blogs.yahoo.co.jp/cook402000/57867105.html

国民へ公開と言う違いはありますが、全体のフレームとしては、財務省の強いイニシャティブを感じますね

公共性がしばしば、天下りや族議員の隠れ蓑、無駄使いの温床として使われていることが事実であっても、だからと言って公共性や公的な役割を安易に廃止するなど無視をする理由にはならないということです。非効率な面があるのであれば、その効率化を目指すことが肝要だと思います。

行政刷新会議及び事業仕分けグループに配置されている「小さな政府」思考の市場原理主義者、新自由主義者の存在がその懸念材料である。

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世に倦む日日:
「基準と意味のスリカエ - 事業仕分けは官僚の無駄の根絶とは」
http://critic6.blog63.fc2.com/blog-entry-185.html

ところが、現在市ヶ谷の国立印刷局(財務省)体育館で行われている事業仕分けでは、仕分けの対象にされている理由は、
(1)赤字で採算性が悪い
(2)費用対効果が十分でない
(3)民間に任せられる、
、等々である。

国の事業というのは儲からなくてはならず、黒字を出して利益を上げろという主張に他ならない。逆ではないか。採算に合う事業ではないから国がやっているのである。今回の事業仕分けを支配しているクライテリアは、受益者に負担させ、国の持ち出しを減らし、社会保障や文教予算を縮減して身軽になろうとする「小さな政府」の論理と志向である。官僚の無駄を削るはずの仕分けが、国民の生活や国家の未来を削る仕分けに転化している。  

引用終わり
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一言だけ補足しておくと、いわゆる「民営化」と言うやつを私はあまり信用していない。国鉄→JR、電電公社→NTT等の巨大組織の解体から自治体事業の民間委託(ゴミ収集とか)に至るまで、政府が現業部門を切り捨てて企画立案・管理機能だけに特化することは、少人数のスタッフで大きな予算を執行できると言うだけのことであり、「正社員」の公務員は少なくなるが予算規模は小さくならない。「民営化」された現業部門は「民間企業」と言うことになり、予算や議会の影響が及ばなくなり透明性は低下する。「小さな政府」の正体とはこう言ったことだ。
我々がなぜ、見ているか否かにかかわらずNHKの受信料を払わねばならないか?なぜいつまでたっても高速道路が無料化されないか?を考えてみれば、こう言った似非「政治改革」が「見えない税金」を増やすばかりであることが分かると思う。

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2009年11月18日 (水)

DARKER THAN BLACK 流星の双子 ep6 「香りは甘く、心は苦く・・・」感想

続けて感想。

この回は心理劇としては文句なしです。蘇芳と黒の関係がグラッと変化する様も良いし、ノリオに「契約者は人を殺しても平気なのか」となじられる場面はかつて蘇芳自身が発した言葉を思い出させます。

しかしアクション作品としてみると気に入らない点がいくつかあります。

・移動時間、距離感

一番気になったのがこれです。葉月が蘇芳達に追いつく前にマオと黒が合流していますが、これは無理な気がします。黒が囮に引っかかった地点から港までの距離は分かりませんが、風景が違うこと、敵を分断する意図が有っただろうこと、を考えると多分車で十数分程度の距離でしょう。一方、蘇芳達から潜水艦までは2,000mですから葉月のボートが対岸に到着する方が黒の帰還より早いのではないでしょうか。マオに関してもボートを操縦している葉月より隠れていたマオの方が早く合流できるのは不自然です。追いついた後の葉月も本来の目標であるイザナギ(紫苑or蘇芳)ではなく黒の方を追いかけるのは何故なのか。

いっそのこと蘇芳のPTRDで海上のボートを狙撃すれば足止めになったんじゃないかと・・・

・潜水艦には大きなものは積めない

潜水艦への物資の搭載は前後のハッチもしくは艦首にある魚雷搭載用の小さなハッチからしか行えません。これは耐圧殻の開口部が限られているためで、作中で出てきたような観音開きの大きな扉を付けることはありません。米軍がやっているように甲板上にタンク状の水密チャンバーを背負わせてやれば良かったのにと思います。

http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2006/2006/html/i1210000.html

http://www.ships-net.co.jp/detl/199910/ssnj.html

PTRDを手すりに載せて構える

銃を手じかなものにレストすると言うのは正解です。また、手すりの下にクッションをかませて安定させるのも正解。このクッションは第一話で蘇芳が木の上で望遠レンズを安定させるのに使っていたピンクの変なヌイグルミなのもナイスです。

でも手すりの高さが低すぎないでしょうか?以下の二枚を見比べるとおかしいことに気がつきます。

http://blog-imgs-41.fc2.com/3/4/6/346zakki/cp091115-dtb06-a03.jpg

http://continue.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_991/continue/hey2-2eff2.jpg

落下防止の手すりはふつう100110cm位でみぞおちから胸の高さあたりです。一方、片膝ついて鉄砲を構えると(立った時の)おへその高さくらいになります。小柄な蘇芳では70cmくらいだと思うので、あの姿勢で構えることは困難なのです。

それと金属の手すりと言うのは共振しやすいので、望遠レンズや狙撃銃を載せる台としては今一つ信頼できないことが多いです。PTRD17kgもあり、伏せ撃ちでも反動で本体が65mm後退しますから、やわな手すりではとても安定しないでしょう。

・コンビニは危険

コンビニのレジには防犯カメラがあります。オンラインで警察がリアルタイム監視しているケースはまだ少ないと思いますが、治安機関から逃げ回っている黒と蘇芳が一緒にコンビニにやってくるのはまずいでしょう。

・黒が飛び乗ったワゴン車の走る方向

黒が戦っている道路からみて正面の道路から来たはずの車が右から左へと通り過ぎるのは何故か?

・折れた腕が治っている

ノリオの友人の太った男の子ですね。前回のけがはどう見ても肘の脱臼か前腕の複雑骨折で一週間やそこらでギブスもテーピングもなしで済ませられるものではないはずです。

全体として、コンテ段階でのチェックもれが多い回だと思います。

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Draker Than Blackに登場するPTRD(デグチャレフ対戦車ライフル)に関するメモ

以下はDarker Than Black 流星の双子に登場するデグチャレフ対戦車ライフルPTRDに関するメモ。

・腰だめ射撃はできるか?

反動がきつくて手首を痛めるだろうと言うのは置いておくとしても、どうも腰だめ射撃をすると自動排莢機構が働かないようだ。

下記アドレスに図解がある。

http://www.ww2aircraft.net/forum/ww2-general/antitank-rifles-mgs-1930-1945-a-7069-2.html

簡単に言うと、銃全体が反動で後退してショルダーストックにめり込むように動いて、ストック右上に突き出している台形の鉄板にボルトハンドルがぶつかってロック解除する機構のようだ(なんて野蛮な!)。ボルト自体が飛び出すのは多分慣性力によるのだろう。だから腰だめではストックに力がかからないのでただのボルトアクション単発になってしまう。

まぁ、そもそも対戦車兵器と言うのは周辺への危険(リコイル、ブラスト、破片など)が多いので正規の射撃姿勢以外をとるのはやめた方が無難だ。

・スコープマウント

スコープはちょっと問題で、アニメの設定ではスタンダードのオープンサイトの位置にプレートを溶接したものだが、これはどうも間違っているようだ。

銃全体が何センチか後退する作りだから、あの位置にスコープに付けていると、ぶっ放すと同時にガツンときて目の周りにパンダマークを作ることになる。これはとても恐ろしい。

この件は、下記アドレスの写真で判明した。

http://img369.imageshack.us/img369/1923/32836411un7.jpg

グリップ基部右側(ただし構造的にはストック側)からプレートが伸びてレシーバーをぐるりと巻いているようだ。

・長距離射撃精度と有効射程

精度について言うと、PTRS(シモノフ対戦車ライフル)のガスピストンなどの複雑な機構が無いPTRDの方が銃身の余計な振動が少なくて有利じゃないかと思う。それとストックの伸縮機構がクッションになるので反動がマイルドなのだろうと思う。PTRSだと弾丸が銃口をでるまでボルトとレシーバーは勘合しているので反動がガツンときて肩に青痣を作りそうだ。(そう言う場面が有ってもよかったかもしれない。蘇芳がお風呂で肩の青痣を気にしてる場面とか・・・これは漫画版パトレイバーに有ったけど。)

長距離射撃時の精度上の問題となりやすいのはたぶんバイポッド(二脚)のガタつきだ。GUN誌のTurk氏がしばしば指摘しているのによると、二脚は問題を起こしやすいのでできればサンドバックかバックパック上に銃を置いた方が良い、のだそうだ。肩あてから二脚まで1mで二脚のガタが1mmとしても、2000m先を狙うと2,000mm狂うから、銃を設置する地面の状態には特に神経を使う必要がありそうだ。その他にも連射すると重心の温度上昇で着弾点が狂うとか、いろいろややこしいことが有るらしい。

カートリッジの性能だけで言うとたぶん2000mでも有効射程だろうが、大戦中はオープンサイトで動く戦車のペリスコープやキャタピラを狙っていたそうで、本来の有効射程は2-300mが良いところだったのだろう。

・スポッターの役割

もうひとつよく考えているなぁと感心したのはジュライの存在だ。ゴルゴ13と違って実際の狙撃と言うのはシューターとスポッターの二人で行うのが普通らしい。スポッターの仕事は、目標観測、着弾観測、外した場合のバックアップ、急襲された時の対応などに加えて照準修正計算を手伝う場合もあるようだ。

照準の計算と言うのがえらく面倒で、距離、高低差、風速、風向、温度、湿度、陽炎の影響などを考慮して照準修正量を計算しそれをMil値(スコープの目盛数)に換算しなければいけない。このために、双眼鏡のほかにレーザー測距機、風速計、弾道計算プログラムをインストールしたPDA等を駆使する。ターゲットが予定距離と別なところに現れるとか、気象条件が急変するとかの事態になると、あわてて再計算を行い場合によるとスコープの調整が必要になる。(この辺の様子はGUN誌の“スナイパーズチャレンジ”記事が興味深い。)

どうやらMI6はドールに射撃管制機能をプログラムしているらしくて、こう言ったややこしい仕事を全部やってくれて暗算結果を口頭で指示してくれる。ライフルマンにとってこれはもうドラエモンのような存在だ。

Milドットについては下記アドレス参照

http://www.shootingtips.com/NewFiles/article/Leupold%20Tactical%20acope%20&%20Mil%20dot/Leupold%20Tactical%20Mil%20dot.html

MI6PTRDのデータまで持っていたかどうかは不明だが、射撃練習を行ったのは蘇芳の特訓であると同時に、ジュライへのデータ入力とキャリブレーションでもあったのだと考えると納得がいく

ここまでやったのだからついでにジュライに装填手をやらせてもよかったかも知れない。大戦中のソ連軍ではPTRDは二人ひと組で運用していたそうだ。17kgの重さも二人で運べば何とかなったろうし、単発自動排莢の欠点も装填手がタマ込めを担当することで補えたそうだ。

まあ細かいツッコミよりも、ここまで調べ上げて作画したスタッフの努力の方を評価すべきなのは言うまでもない。PTRD以外にもFSBの使っているVSSKEDRなど気になる銃が満載だ。面白い物語というのは、「小さな真実を沢山並べておいて、大きな嘘を一つつく」だと思うが、DTBのスタッフはこの辺が良く分かっているなあと感心するようなディテール描写だ。

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